🔓暗闇で「やったつもり」の育児の果て~厚木・男児死体遺棄事件②~

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幸裕の幼少時代と、家族

幸裕が生まれたのは1978年で、私とほぼ同世代である。一部上場企業の工場で勤務する父親と、専業主婦の母親。年子の妹と4つ下の弟という、その時代の主流ともいえる家庭がそこにあった。
当初は横浜の鶴見区で暮らしていた一家だったが、幸裕の小学校入学に合わせるかのように神奈川県愛川町に誘致された系列会社の工場に父親が勤務することとなって、一家は引っ越してくる。

まだまだ好景気だったその時代、次々と工場が誘致され、そこに働く人々のために大きな団地も次々と建設されていった。
その時代、今よりも一家の大黒柱と家庭を支える妻の役割ははっきりしていて、男は外で仕事、家庭や子育ては妻、というのは当たり前だった。もっとも、会社としてもよほどのことがなければ終身雇用は当たり前、家族への手当ても充実していた。だから、妻らは余裕をもって専業主婦になれたのだ。
斎藤家も同じで、3交代で勤務する父親にはそもそも子育てに深く関わったり、家事を手伝うなどといった考えはなかったし、現実的でもなかった。
そんな中で育った幸裕だったが、父親との記憶はほとんどない。それでも友達も多く、外で元気に遊ぶ幸裕は弟や妹との関係も良く、大きな問題などはないように見えた。

その生活が暗転したのは小学校6年生の時だ。

【有料部分 目次】
もう一人の保護責任者
「だって仕事があったんですよ!」
懲役19年
殺人罪からの、保護責任者遺棄致死
発覚が遅れたのはなぜか
紙吹雪

ここからは有料記事です

三つ子ワンオペ育児は情状酌量に値するか?

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平成30年1月11日

豊田市内のアパートから、「子供が動かない」と119番通報があった。
救急隊員らが駆け付けたところ、1歳くらいの男児がぐったりとしており、傍らでは通報してきた母親らしき女性が必死に心臓マッサージなどを施していた。

男児は病院へ搬送されたものの、意識不明の重体であった。診察した医師によると、頭がい骨骨折の所見があった。

当初、母親は付き添っていたが、忽然と姿を消す。幼い子どもが生死の境をさまよっているというのに、なぜか母親は黙って自宅へと戻っていた。
ケガの状況などから不審に思った病院が児童相談所(県豊田加茂児童・障害者相談センター)へ通告。その後の調べで、母親が男児を床に複数回叩きつけたことを認めたため、殺人未遂で1月12日に逮捕した。

男児はその後、1月26日に死亡したため、殺人容疑に切り替えて捜査が行われた。当初は幼い乳児を床に叩き付けるという残虐な行為に非難が殺到、母親に対しても当たり前の批判が展開されたが、裁判が始まると、風向きが変わった。

母親が育てていたのは、その男児を含めた「三つ子」だった。

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🔓裁判所をも激怒させた父親の所業といいわけ~大阪・実娘強姦事件~

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【ご注意】

読んでいただきありがとうございます。Twitter等でこの記事を引用し、自己の主張のために利用されている方がいますが、それらのいかなる考え方についてもこの記事、ならびに事件備忘録@中の人は同意ではありません。この記事中の都合の良いところだけを抜き出して何かの証拠のように扱うことに賛同しません。

平成10年5月

その日父親は、9歳の次女と7歳の長男に「遊びに行ってこい」と命じた。朝から妻はパートへと出ていて、これで家には11歳の長女とふたりだけになった。
幼い子どもたちは普段、児童養護施設で暮らしており、週末だけはこうして自宅へと戻るという生活をしていた。
父親は、玄関の鍵を閉め、長女のいる部屋へと向かう。
「この前は入ったで。もう一回、させぇ」
父親の唐突なこの言葉の意味が解らず怪訝な表情の長女に対し、父親はおもむろにズボンと下着を一気に脱いだ。

【お断り】
この事件については、その内容からほとんど記録がない。そのため、新潮45/20059月号にノンフィクションライター・新井省吾氏によるドキュメントが掲載されており、その内容からの考察となる。

地獄の日々

長女はそれ以前に、この父親に服を脱がされ、全裸の写真をポラロイドカメラで撮影されるという出来事が起こっていた。ただその時は、長女も就寝中で寝ぼけていたこともあり、さほど意味のある事とは考えていなかったようで、周囲の人に相談するとかそういったこともなかった。
その日、父親が言った「この前は入ったで」という言葉も全く意味が解らなかった長女は、「何が入ったん??」と聞き返した。
直後、父親のとった行動に当然ながら長女は仰天し、悲鳴を上げて逃げ惑った。玄関には鍵がかかっており、とっさのことで長女は慌てふためいてドアを開けられなかった。
父親は逃げる長女の髪をつかみ、そのまま奥の部屋へと引きずっていくと、敷きっぱなしの布団の上に長女を投げ飛ばした。
なおも逃げようとする長女を仰向けに押さえつけ、怒声を浴びせ、右頬、腹部を殴りつけた。
そして、痛みと恐怖で抵抗することをやめた長女に対して、極悪非道な行いをしたのだ。

長女に対し、それ以降も悪魔の所業は行われ続けた。その期間はなんと4年以上である。
養護施設にいた子供たちを引き取ったのも、週末だけではなく気が向いたときにいつでも長女に暴行するためであった。もちろん、目の届くところに置くことで、外部への漏れを防ぐ狙いもあっただろう。
長女は誰にも相談できず、一人絶望の中で日々を過ごすしかなかった。
そもそも、父親はこの長女が誰にも相談しないことをわかっていた。それは、もともと精神的に脆い母親の存在があったからだ。
長女は体調が悪くなると酷いうつ状態に陥る母親を気遣って、家事や弟、妹らの面倒もみていた。母親は体調が良いときは家事もし、パートにも出られるようになるため、娘からすれば少しでも母親の負担を軽くすることが、ひいては自分たちのためにもなるとわかっていたのだ。
そんな母親に、自分が父親に何をされているか、長女が言えるはずもないことをこの父親は知っていたのだ。その上での行いであった。

まだ小学生だった長女は、その意味も理解できぬまま、父親の恐ろしさに負けてされるがままだった。時折、軽蔑のまなざしを父親に向ける以外、長女には抗うすべもなかったのだ。

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【有料部分目次】
家族のそれまで
次女
母親の後悔
長女と次女の決断
発覚から逮捕、そして裁判所の激怒
帰りを待つ母親

いい親になりたかった母親の無理筋~尼崎・児童虐待死事件~

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平成13年8月14日


「剛士ぃっ!!!!」
人通りの多いJR神戸線立花駅前のコンビニエンスストア前の路上では、多数の捜査員と揉みあう若い男女の姿があった。
暴れまわる金髪の女に対し、向き合う形で捜査員に引き離された痩せこけた男は、錯乱状態で泣き叫ぶその女を茫然としたまなざしで見つめていた。
この様子はその日の夕方のニュースで全国に放送され、見たものは二人の異常な様子に唖然とした。

この日から1週間前、男と女は小学1年生の女の実子を凄惨な暴力の挙句に殺害し、こともあろうか事件の発覚を恐れて近くを流れる運河に遺棄したのだ。
その遺体は、黒いごみ袋に詰められていた。
男児は勢田恭一くん(当時6歳)。度重なる虐待から児童養護施設で生活していたが、事件の直前、8月1日から10日間の予定で一時帰宅となっていた。
恭一君は、「嫌やなぁ、(家に)帰りたくない」と泣いていた。そして、その7日後に、殺害されてしまった。

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🔓いい親になりたかった母親の無理筋~尼崎・児童虐待死事件②~

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【有料部分目次】
「ママにしか頼まれへん!」
隠蔽工作と「砂入りペットボトル」
尼崎学園の大失態
婦人公論の記事
親のサポートより大事なこと
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