隣人訴訟ともう一つの結末~三重・幼児水死事故①~

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昭和52年5月8日

「じゃあ、よろしく頼むわね」

三重県鈴鹿市のとある新興住宅地で、そこに暮らす家族がそういって隣人に声をかけた。
「子どもたちが二人で遊んでいるから、大丈夫でしょう」
その隣人も、それに応じた。

なにげない、いつもの風景。
新興住宅地内の生活道路で、子供たちは自転車を乗り回して遊んでいた。夫婦で家中の掃除に精を出しながら、時折子供らの声がする方を確認しながら、時間は過ぎていった。

20分ほどしたころ、隣人の子どもが一人で戻り、こう告げた。
「お母さん、あの子が池から戻ってこないよ」

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隣人訴訟ともう一つの結末~三重・幼児水死事故②~

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バッシング

判決が出たのち、新聞各社は大きく報道した。
しかし、ほとんどの見出しは、賠償命令を受けた工藤さん夫婦に同情的なものだった。

例えば、地元の中日新聞では「『近所の善意』に厳しい判決」とし、全国紙も「隣人の好意につらい裁き」「近所付き合いに『冷や水』」といったものに加え、工藤さん夫婦に賠償命令が下ったことを重点的に報道した。
それ以外にも、「善意とはなにか」や、「子どもはもう預かれない」といった、どこかこう記者の感情が大きく影響しているような記事が躍った。 続きを読む 隣人訴訟ともう一つの結末~三重・幼児水死事故②~

🔓隣人訴訟ともう一つの結末~三重・幼児水死事故③~

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もう一つの善意

三重の隣人訴訟は、近所付き合いや子供を預かることの是非などに加え、報道の在り方や裁判を受ける権利についても今日まで長く議論されてきた。

そんな事故から12年が過ぎた平成元年7月。
広島県佐伯郡(現・廿日市市)で悲劇的な事故が起こった。
この事故も、三重の事故同様、よその子どもを預かった主婦が事故でその預かった子供を死なせてしまうというものだった。

詳細はこうである。

この記事は有料記事です

🔓凶行を見届けると決めた友人~名古屋市・人違い殺人と、おまけのタケノコご飯殺人~

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平成元年4月20日未明

名古屋市緑区鳴子4丁目。
人々が寝静まった頃、突如ガラスの割れる音に続いて、女性の悲鳴がその静寂を破った。
「助けて!殺される!!」
女性の悲鳴の後で、若い男の叫び声が続いた。
「俺の気持ちが分かるかぁーっ!!」

その騒ぎからほどなくして、近くで新聞販売を営む家のガラス戸が割られた。
驚いて飛び起きた家人らがガラス戸が割れた販売店へ降りてみると、そこには腹部に包丁が突き刺さったままの男性が倒れこんでいた。
急いで救急車を呼び、続けて警察にも通報しようとしたところ、男性は
「警察が来たら女房が連れていかれる・・・」
と口走った。

もうひとりの被害者

新聞店に助けを求めて駆け込んだのは、鳴子4丁目にあるマンション205号に住んでいた城戸潤さん(仮名/当時23歳)。
出血多量の重体に陥ったが、その後なんとか一命をとりとめた。
しかし、城戸さんが刺される直前、実は城戸さんの隣室で家族と共に暮らす佐藤修包(なかかね)さん(当時25歳)も、腹部を刺されすでに死亡していた。
佐藤さんは、妻と二人の幼い子どもたちの4人で就寝しており、凶行はその妻子の目前で行われたとみられる。
冒頭の女性の悲鳴は、佐藤さんの妻(当時27歳)のものである。母の悲鳴に驚いた子供たちも泣き出したが、なぜか犯人は妻子には目もくれず、また、何も取らずにただ佐藤さんだけを刺してベランダ伝いに隣室へと逃げたらしかった。
そして、隣室の城戸さんと鉢合わせし、城戸さんをも殺害しようとしたとみられた。

新聞店からの通報で、名古屋市の緑署は殺人事件として捜査を開始していたが、その直後、「人を殺してきた」と出頭してきた少年がいた。
少年は黒い丸首シャツにジーンズという、どこにでもいる若者の格好をしていたが、非常に興奮しており、「城戸さんを殺してすぐに自首する気だった」などと話したという。
警察では当然、佐藤さんについても追及したが、佐藤さんと少年の間には恨みどころか面識すらなかった。
少年は、205号室の城戸さんを殺害しようとして、うっかり206号室の佐藤さん宅に侵入してしまったのだ。
そして、間違えたことに気が付かずに、暗闇で佐藤さんを刺し、女性と子どもの悲鳴を聞いて、その部屋が城戸さんの部屋でないことに気付いた。

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【有料部分目次】
事件が起こる経緯
女心と秋の空
「あっ!間違えた」
悲しみの葬儀
その時代
おまけ。タケノコご飯殺人事件

隣人を殺害した自治会長の堪忍袋~館山・大戸町近隣トラブル殺人事件~

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平成27年11月6日午後3時

「殺すぞ!」

その日、農作業から帰宅した男は、自宅で妻に怒声を浴びせる男性を目にした。
あぁ、またか・・・
男はうんざりしながら妻と男性に割って入り、話を聞こうとした。
男性は何やら文句を言いながら目と鼻の先にある自宅へと戻ったが、男は男性宅へ赴いて男性を諫めた。
しかし、男性は理解不能な苦情を喚き散らす一方で、話し合いになどならなかった。

「いい加減にしろ!」

男が一喝すると、突然男性は男の襟首をつかみ「2~300万用意しろ!出来ないんだったら殺すぞ!」と凄んだ。。

男の心の中で何かが弾け飛んだ。

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