🔓郵便局員が繰り広げた禍々しき愛の劇場~八尾市・妊婦襲撃事件~

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平成9年4月14日午後7時40分


大阪府八尾市南木の本4丁目。
仕事を終えてバスで帰宅した女性は、自宅近くのバス停から徒歩で自宅マンションへと向かっていた。
距離にしておよそ300メートル。いつもと変わらない、帰り道だった。

自宅マンション手前で、不意に背後から誰かにぶつかられた。
何か圧迫されるような、妙な感触を覚えた次の瞬間、それは激しい痛みとなって女性を襲った。
わけがわからないまま、女性は必死でマンションの階段を上る。もう少し、もう少し・・・
とめどなく流れる血をおさえることもできないまま、必死に自宅マンションのドアを叩いた。いつも女性より先に夫が帰宅しており、その日も夫は家にいた。

「誰かに刺された」

夫がドアを開けると、血まみれの妻がそういって両膝をつき、そのままおなかを庇うように仰向けに倒れた。
すぐに病院へ運ばれたが、おなかの赤ちゃんはすでに死亡していた。

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🔓殺害依頼した女の「それでもいいと思えた366日」~東京・闇サイト殺害依頼事件~

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平成17年7月2日

多摩中央署にひとりの女が相談に訪れた。
相談内容は、ネット上のサイトを通じてとある依頼をし、その料金も支払ったにもかかわらず、その依頼が遂行された様子がないといったものだった。
女が支払った金額は、なんと1500万円。いったい何の依頼をしたのかと署員が問いただしたところ、女は
「殺人を依頼したのに・・・不倫相手の妻を殺してくれないんです。」
と答えた。

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【有料部分目次】
平成17年9月14日
駆け込み寺
1時間2000円
見逃すわけにいかない

🔓放浪家族の子殺しのはて~福井・次女虐待死体遺棄事件~

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平成13年4月17日

仙台市太白区、東北自動車道仙台南IC付近で検問中だった宮城県警高速隊は、車検切れのステッカーが貼られた車を見つける。
その際、職務質問した男の免許が切れていることに気が付いた。
男が乗っていたのは石川ナンバーのレンタカー。車内には、女性と幼い子ども3人が乗車していたという。
さらに、男はこれまでに反則金を未納していることも判明していた。

高速隊員は、車内の状況や子どもたちの様子に不審な印象を受け、反則金の未納照会の際に家族構成を確認した。
「一人、二人、三人・・・」
高速隊員の顔色が変わる。この家族には、もう一人子供がいるのではないか。
無免許運転で逮捕したのち、男にそのことを問いただすと、男は「昨年の夏、次女が海水浴中に溺れ死んだので、処置に困って捨ててしまった」と答えた。
福井県警の捜査員らが、男が話した福井県河野村の国道8号線にある「道の駅河野」付近の草むらを探したところ、25メートルほど下った斜面に、幼児のものと思われる人骨を発見した。

しかし男は、捜査員に対し「殴ったら死んだ」という話もしていたのだ。

両親逮捕

無免許運転で逮捕されたのは、北海道生まれの住所不定、福本信夫(仮名/当時27歳)。警察は、レンタカーが借りられたのが免許失効後に妻の名で借りられていたことなどから、妻もその事実を知っていたとして妻からも事情を聞いていた。
発見された骨は幼児の頭部とみられていたが、DNA鑑定の結果が出るまでにとりあえず信夫を道路交通法違反で仙台地裁に起訴し、鑑定結果によっては傷害致死、死体遺棄の疑いで再逮捕する予定としていた。

5月22日、DNA鑑定の結果、発見された骨が信夫のDNAと酷似していることが判明。骨は、信夫の次女で行方不明の加奈ちゃん(当時2歳)である可能性が高まったとして、29日、信夫と妻の美穂(仮名/当時28歳)を死体遺棄容疑で再逮捕した。
さらに、加奈ちゃんが死亡した経緯についても調べが進められた。

当初は要領を得ない話を繰り返す両親だったが、加奈ちゃんは実際には海水浴で溺れ死んだのではなく、両親らの苛烈な虐待の末の死だったことが明らかになっていった。
2歳の女児は、生まれてからのほとんどの時間が虐待の日々であった。

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【有料部分目次】
無計画の家族
現実逃避と嘘の山
美穂
ホテルでの出来事
虐待者による蘇生術への評価
遺棄、そして
虐待死は殺人ではないのか

🔓母に諦められた幼い命~広島・二児虐待死体遺棄事件~

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平成12年10月末

広島東署。
その日、一人の女が知人に付き添われて警察署へ被害届を出しに来た。
知人の説明によると、女の交際相手であった男から、金品を脅し取られているということだった。
署員が調書をまとめていると、その知人は続けて驚くべき話をし始めた。
「この人の二人の子供の姿が見えない。もしかしたらその男に殺されてどこかに捨てられているのかもしれない」

突飛な話に驚く署員をよそに、母親であるその女はあまり口を開かなかった。
警察は、まず被害届を受理した恐喝の容疑で、広島市中区在住の男を11月28日に逮捕、その後の取り調べで男が
「1年前、(被害届を出した)女性の長女と長男を虐待したら死んだので、山に捨てた」
と供述したことから、呉市内と安芸区内の山中を捜索。
12月1日、それぞれの場所から二人の遺体と思われる頭骨やその他の骨片などが発見されたのだった。

遺体発見

警察は当然、男の逮捕で終わらさなかった。二人の子供がいなくなったというのにこの母親は今の今まで何をしていたのか。
12月4日、二人のうち一人についての死体遺棄容疑で、男とともに母親も逮捕した。
男は鷹尾健一(当時28歳)。母親は瀬川光子(当時26歳)。
山の中で白骨遺体となっていたのは、光子の長男・慶樹くん(当時6歳)と、長女・祥子ちゃん(当時4歳)と確認された。

警察では何らかの形で死亡した兄妹を二人が共謀して遺棄したとみていたが、二人が殺人にも関係しているとみて捜査を続けた。

遺体はそれぞれ、祥子ちゃんを呉市の休山(497メートル)に、慶樹くんを安芸区阿戸町の山中に遺棄しており、二人とも鷹尾の供述通りの場所で発見された。

祥子ちゃんの骨は休山頂上付近で広範囲に散乱した状態で発見され、おそらく道路から投げ棄てられた可能性が高かった。
1年もの間、風雨にさらされ続けた祥子ちゃんは、動物に荒らされ骨は散り散りになっていたという。
しかも、祥子ちゃんの遺体遺棄の際には、この母親が現場まで一緒に行っていた。

捜査が進むにつれ、二人が死亡したのは虐待というより殺人と言って差し支えないほど凄惨な暴力と虐め抜かれたことによるものだということが分かってきた。

鷹尾と光子

光子は平成5年に慶樹ちゃんを出産、平成7年には祥子ちゃんを出産している。
しかし、裁判資料などから読み解くとどうやら未婚状態での出産であったようで、慶樹ちゃん、祥子ちゃんの父親はそれぞれ違う。
平成11年の4月ころになって、慶樹ちゃんの父親である男性と広島市東区内のマンションで生活を共にし始めた。
しかしその生活はすぐに破綻、男性との交際も解消し、男性は家を出た。
いつごろから始めていたのかは定かではないが、光子の収入源は風俗の仕事であった。ファッションヘルス嬢として働いていた時に、鷹尾が客としてやってきたことで二人の人生は交わり始める。

一方の鷹尾は、当時呉市内で妻子とともに生活をしていたが、生活は苦しかった。
自身の名字を屋号に据えた建設関係の仕事を生業にしていたが、折からの不況のあおりもあって仕事の量は減っていたという。
鷹尾はこの頃から覚せい剤を使用しており、事業がうまくいかない焦燥感や不安感などから覚せい剤の使用頻度も増え、妻やその両親らに暴力を振るうこともあった。
そのうっぷん晴らしのひとつが、風俗だった。
たまたま訪れた店で接客してくれた光子と意気投合、すぐに二人は交際を始める。
平成11年6月末、元請業者から取引停止を言い渡された鷹尾は荒れ、妻ともうまくいかなくなってそのまま光子が暮らすマンションへと転がり込んだ。

そのまま居ついてしまった鷹尾に迷惑する風でもなく、ふたりはパチンコなどに揃って出かけては、気ままな暮らしを送っていた。
ある時、二人で並んでパチンコに興じていた際、負けが込んで苛立っていた鷹尾に、「打ち方が悪い」と言われ暴行を受けた。
光子は暴力を振るわれたことで鷹尾とは一緒にいられないと思い、7月8日には手切れ金10万円を手渡して別れを告げる。
しかしその翌日、通りすがりの男から性的暴行を受けそうになり、警察に駆け込んで保護されるという出来事が起こる。
その際、光子を迎えに来てくれたのは鷹尾だった。光子は暴力を振るわれたことなど忘れてしまったかのように、これ以降鷹尾に溺れていく。

【有料部分 目次】
慶樹くんと祥子ちゃん
はじまり
犬の首輪と花火
6歳児の命乞い
母親「光子」
祥子ちゃん
DVと、未必の殺意
量刑不当
殺意の認定と、愛欲生活
見失ってはならないこと

我が子を失いたくなかった母親が負うべき罪は何か~長崎・新生児遺棄事件~

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平成25年4月24日

とうとうこの日がやってきてしまった。
先延ばしにする間に、なんとか方法を考えるはずだった。しかし、あっという間に十月十日(とつきとおか)は過ぎ去っていった。
鈍痛は次第に強烈な痛みへと変わったが、もう後戻りはできない。

疲労困憊ではあったが、女にはまだやるべきことが残されていた。
足元には血まみれのバスタオル。それをそっと、手に取った。

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