パラフィリア~関市・高齢夫婦殺害事件~

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「包丁で脅されて怖い思いをした。祖父母ともう話せないと思うと悲しいです。(被告人には)二度と私の前に現れないでほしいし、できるだけ長く刑務所にいてもらいたい。」

平成28年11月29日、岐阜地方裁判所。
この日、ある殺人事件の初公判が開かれた。事件は2年前の11月11日に起き、その後、犯行の残虐さ、逮捕された男の言動に不審な点があることなどから精神鑑定が行われるなど、初公判までには時間を要した。

結果を受けて検察は責任能力を問えると判断、この日ようやく初公判を迎えた。

検察は冒頭陳述のあと被害者の家族の調書を読み上げ、犯行の悪質さや被害者遺族の処罰感情が厳しいことなどにも触れた。

男は若干二十歳。
男の罪は、面識のない高齢夫婦をいきなり襲い、ふたりとも刃物で殺害するという残虐極まりないものだった。しかも、その動機は自己の欲求を満たしたいがために邪魔な存在を殺したという、被害者に一点の落ち度もないものだった。

しかも、その現場にはもうひとりいた。
この被害者夫婦の中学生の孫である。犯行はその孫娘の在宅中に行われた。

殺害は、単に通過点、目的を果たすための障害物除去だった。
男の本当の目的は、この孫娘との”太ももプレイ”だったのだ。 続きを読む パラフィリア~関市・高齢夫婦殺害事件~

サレ男の逆襲~札幌・男性撲殺事件~

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札幌の事件

平成18年6月17日午後7時30分、札幌豊平署に女性の声で通報が入った。
「月寒東のマンションで男性が大変なことになっている」
豊平署員がそのマンションに急行すると、鍵のかかっていない部屋があった。そして、その部屋の玄関で、成人男性が血まみれの状態で倒れているのが発見されたのだ。

男性はすでに死亡、その時点での身元は分からなかったものの、その部屋に暮らす男性と連絡が取れていないことから、死亡したのはこの部屋の住人の男性の可能性が高かった。

この部屋には、髙田雅史さん(仮名/当時56歳)が一人で暮らしていたといい、また、通報者が「高田さんの部屋」と具体的に言っていたことから、交友関係や目撃者について捜査を始めた。
髙田さんは棒のようなもので頭部や腕など上半身を集中的に殴られており、状況から殺人事件と断定。
後に、通報者がなんらかの事情を知っていると見て捜査を続けたところ、18日の夜に髙田さん宅を訪ねた男がいたことがわかった。
目撃されていたナンバーから男を割り出したところ、実は通報してきた女性がこの男の妻だったことなどから男に事情を聞いた。
その後、男がバールや手などで髙田さんを殴ったことを認めたため、殺人の容疑で逮捕となった。

逮捕されたのは髙田さん宅の近くに住む鉄筋工・橋本裕二(仮名/当時43歳)。
橋本は髙田さんと以前から知り合いで、二人の間にはトラブルがあったという。
警察ではトラブルの話し合いがこじれ、事件に発展したとみてトラブルの原因について捜査していたが、この事件、髙田さんが殺害されたその夜までは、実は髙田さんは加害者だった。 続きを読む サレ男の逆襲~札幌・男性撲殺事件~

限界破裂〜虐げられた人々の愛の事件〜

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普通に生きていても、時に他人から不当な扱いをされることがある。
会社でのパワハラ、学校でのアカハラ、そして夫婦間、恋人間におけるモラハラ、DVなど。
相手との立場の問題や相手に対する感情の問題で、不当な扱いだとわかっていてもそれに抗議できず、ただ耐えることでやり過ごそうとする人も少なくない。
また、怒りがあったとしても同じ土俵に立ちたくないという思いで、あえて無関心を通そうとする人もいるだろう。

特に日本人はできるだけ、争い事を避けようとする傾向があるのも事実で、少々のことで騒ぎ立てるのはみっともない、そう思う人もいる。
限定していうと、男女間夫婦間における様々な問題は、第三者が介入し辛い面もあって気がつけば虐げられていた人は一人その理不尽な思いを抱き続けることになる場合が多い。

一方で人にはそれぞれ堪忍袋というものがあり、その容量は個人差が激しい。

虐げられた人々の我慢の限界が来た時、それまで蔑ろにしてきた本当の加害者は狼狽え、そして許しを乞う、自分がしてきたことを棚にあげ……

いくつかの我慢の限界を超えた男女の事件。 続きを読む 限界破裂〜虐げられた人々の愛の事件〜

🔓罪万死に値する~横浜・一家3人殺害事件~

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県道にて

平成14年8月4日、午後1時半。
富山県富山市東田地方(ひがしでんじがた)の県道で、一台の不審な乗用車が目撃された。
赤色のその乗用車は、県道を蛇行するような運転をしており、警察にも危険走行をしている車がいるとして通報が入っていた。

近くをパトロール中だった覆面パトカーは、ある情報を持っていたことからその赤い乗用車を捜索、後にその車を発見、停止させた。
その乗用車は、神奈川県内である事件に関係した人間が乗っているとして、神奈川県警から全国手配されていたのだ。
警察官が車を停止させ、運転手を確認。事情を聞いたところ、神奈川県警から手配されていた人物だと認めたため、そのまま富山署に任意同行となった。

この時、車内には女性の姿もあった。実はこの女性の行方も警察は追っていた。

この女性の両親とひとり息子は、8月日夜に自宅マンションでメッタ刺しにされ殺害されているのが見つかっていたのだ。

都筑区の惨劇

警察に知らせたのは、そのマンション3階に暮らす老夫婦の長男だった。
千葉県内に住んでいた長男は、数日前からこの横浜市都筑区のマンションに住む両親と連絡が取れず、心配して訪ねてきていた。
外から見ると、洗濯物が干しっぱなしのような状態だったことで心配は嫌な予感に変わった。
警察に連絡したうえで、都築署員と共に合鍵で部屋に入ると、そこはまさに血の海だった。

父親はリビング、母親は廊下、そして中学生になる甥っ子が寝室でそれぞれ息絶えていた。
全員寝間着姿で、状況から死後数日とみられた。

【有料部分目次】
行方不明の男女
嫉妬深い男
裁判
夫婦のそれまで
離婚話
拉致監禁
弁護士
私立探偵とほどかれた髪
はずしていなかった、「思い込み」
話し合いたかっただけ
妻の言い分、夫の言い分
被害者、遺族であっても……

FUNNY MONEY~あるふたつの家族の結末~

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家庭の悩み事のほとんどは現預金が解決してくれる、とは真理で、多くの問題は解決されると私は思っている。
すべてではないにしろ、とにかく一家心中みたいなことは避けられるんじゃないかと思うのだ。
現預金さえあれば生まれなかった悲劇は山のようにあって、格差社会や貧困問題が事件につながることは少なくない。

が、同じ金がない、でも、登場人物に問題があって、さらにはそれを解決する手段を講じない、現実を見ないという場合もある。

ある二つの家族がたどった破滅への軌跡。 続きを読む FUNNY MONEY~あるふたつの家族の結末~