必要だった、あと少しのなにか~安中市・姉放置死亡事件~

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生まれついてかそうでないかにかかわらず、日本では病気や怪我によって生活や仕事が制限されるようになった際、国がその等級に応じて年金という形で生活を支援する「障害年金制度」というものがある。

当然ながらこれらは本人の生活、人生のためのものであり、決して十分な額とは言えないかもしれないけれどその他の公的サービスなどと組み合わすことで、身体、精神に障害を持っていても生活していけるための大切なものである。

ただ、心、知的な障害を持っている場合、どうしてもその管理を身近な人間がせざるを得ないケースが出てくる。
同居する親や施設の責任者がそれを担うことが多いと思われるが、中には、身元引き受けになったそれ以外の人が行うこともある。

そこにもし、悪意があったら。いや、悪意がなくとも、そもそも引き受けた側に相応の能力が欠如していたら。

安中の事件

群馬県安中市の借家で、一人の女性が死亡した。
女性は50歳、ひどく痩せ衰えており、体も汚れていた。一応、上着などを身につけてはいたが、家の中であるにもかかわらず死因は低体温症。
一人暮らしの持病のある女性であれば、助けを求めることができずに衰弱したということも考えられたが、この家には女性の妹夫婦とその子供が一緒に暮らしていたのだ。

平成2926

死亡していたのは萩原里美さん(当時50歳)。里美さんには中度の知的障害とてんかんの持病があった。そのため、昭和62年頃から渋川市の障害者支援施設に入所していた。
その後、平成2712月に施設から実家へ一時帰宅した際、里美さんが施設に帰りたくないという趣旨の話をしたことから、当時実家にいた里美さんの妹夫婦がそのまま退所させ、里美さんを引き取ったのだという。

里美さんは施設にいた当時56キロほどの体重があったという。しかし、発見された里美さんは体重が35キロ程度にまで減少しており、司法解剖の結果、胃のなかに食べ物はありはしたものの、おそらく長い間栄養状態が良くなかったと見られた。
加えて、2月という寒い時期だったこと、低栄養からの高度の貧血状態にあり、体温調節機能が著しく低下したことからの、低体温症で死亡したと断定されていた。

一方の妹夫婦とその子供の体調に問題はなかった。
里美さんだけが、この家の中で衰弱し死亡したということで、警察は里美さんの死因に不審な点がないか捜査を始めた。その疑惑は当然、同居していた妹夫婦に向けられた。
が、里美さんが死亡する3日前の23日、安中市障害福祉係の職員が里美さんに面会していたことが判明。
その際、里美さんは痩せてはいたもののひどく衰弱した様子はなかったといい、職員からの質問にも意思表示をするなど、里美さんの状態がそこまで悪いようには見えなかったという。
当然ながら、妹夫婦も姉が死亡したことについて自分たちは世話をしており、死んでしまうような状態には思えなかったと証言。

里美さんは病死なのだろうか。

しかし警察は5ヶ月後の平成2976日、里美さんを放置して死亡させたとして、保護責任者遺棄致死の容疑で妹夫婦を逮捕した。

年の離れた姉妹

逮捕されたのは里美さんの妹である高倉里織(仮名/当時31歳)と、その夫・高倉圭祐(仮名/当時30歳)。二人には幼い子供もいた。
警察の調べでは、ふたりは里美さんに十分な世話をしなかったばかりか、衰弱しているのを知りつつ病院へ連れていくなどの必要な世話をしなかったとされた。
里織は容疑について「違っているところがある」としており、夫の圭祐も、「やるべきことはやっていた」として否認していた。

当初報道では、里美さんが知的障害を持っていたというより、先天的な障害があって寝たきりだったとしているものがあったが、実際の里美さんは最初から寝たきりなどではなかった。
福祉施設に入所している際は食事や着替えなど、日常的なことは自分ですることが出来ていた。ただ、知的な問題があったために、季節に応じた服装をするとか、栄養を考えた食事をとるといったことは出来なかったという。
また、てんかんの持病があったことから定期的な医療機関への受診、服薬が不可欠だったが、それも自分一人で考えて行動するようなことは出来なかったことから、日常生活には常に誰かの支えが必要な状態だった。

しかし、誰かの支えがあれば、里美さんは里美さんなりに、平和な生活を送ることは十分に可能な状態にあった。

それが、福祉施設を出て12カ月の間になにがあったのか。

里美さんと里織は、実の姉妹ではあるがその年齢差は実に20歳も離れていた。
生い立ちなどは明らかになっていないが、平成26年から実母が再婚相手と暮らしていた安中市の借家に里織夫婦は同居していた。
実母がその年の暮れに死亡した後、実母の再婚相手がその家を出てからは、生まれたばかりの長男との3人でその借家で生活していた。

そんな里織夫婦が里美さんを引き取ることになったのはなぜか。

里織は昭和61年に生まれているが、その翌年に里美さんは施設に入所しているため、姉妹の交流はそれほどなかったのではないかと思われる。
が、関係資料によれば兄弟姉妹の中で里美さんと里織は仲が良かったという。里美さんは小学校中学年程度の知能だったといい、幼い里織にとったら、20歳の年齢差を感じなかったのかもしれないし、離れて暮らしている分、姉というより友達、そんな感覚だったのかもしれない。

里美さんが里織夫婦に引き取られるきっかけは、母親の法事だった。
平成2711月、里美さんが暮らす施設に里織から連絡が入った。要件は、母親の法事の費用を姉にも分担してほしい、というもの。その額は7万円だった。
里美さんは障害者年金を二カ月に一度13万円受け取っていた。それらは施設の費用などに充てられていたが、当然残った分は施設が里美さん名義で管理していた。
その直後、一時帰宅ということで里織夫婦の安中の借家へ外泊した里美さんを、そのまま里織夫婦が引き取りたいと施設に申し出たのだ。

30年に渡って施設で生活してきた里美さんだったが、里織夫婦の元で暮らしたいというのは里美さんの希望もあったという。
里美さんは精神的、知的に小学生程度であったことから、施設内の他の入所者らからときどきイジメに遭っていた。施設側も、実の妹である里織の申し出であり、かつ、夫や子供の存在もあること、障害があっても施設ではなく地域社会で生活することが真の自立であるという障害者自立支援法の理念などもあって、おそらく退所すること自体は問題ではなかったと思われる。

平成2712月、里美さんは安中の借家での生活を始めた。

引き出された年金

裁判では里美さんを引き取ったそもそもの理由について、検察と弁護側が対立した。

弁護側は、先にも述べた通り里美さんが施設で他の入所者から嫌がらせやいじめを受けていることを知り、一時帰宅した里美さんも施設に戻りたくないと訴えたことから可哀そうになり、そのまま退所させる方針を決めた、と主張。
さらに、里美さんはほかにもいる兄弟姉妹よりも里織と一緒に暮らすことを希望していたといい、その願いを叶えようと思ったことが引き取った理由だと述べた。

一方の検察は、里織夫婦が里美さんを引き取った時期の生活状況に注目していた。
里織夫婦が里美さんを引き取ろうと動き始めた平成271112月、夫婦は家賃や光熱費すら払えないほどに生活に困窮していたという。
加えて、母親の法事の費用の相談を施設にした際に、その正確な額までは把握していなかったとしても、里美さんにある程度の貯蓄があることに気づいていた。
そして、129日の退所会議でこのまま貯蓄しておくようにと言われた里美さんの貯蓄77万円をなんと退所した当日から数日間でその全額を引き出していた。
さらに、12日には夫婦となぜか実母の再婚相手の携帯電話3台を契約。しかもその名義は里美さんになっていた。

おそらく里織夫婦は携帯電話を契約できない状態にあったのではないか。加えて、電話料金の支払いも里美さんの口座を指定していた。

これが意味するのは何か。

検察は、口座振替にわざわざ里美さんの口座を指定したのは、障害者年金が振り込まれることをわかっていたからであり、これらを併せ考えれば里織夫婦が里美さんの障害者年金を自己の自由にするために里美さんを引き取ったと優に考えられる、とした。

裁判所としても、弁護側の主張を否定するものでもないが、かといって検察が言う動機が両立しないとも言えない、とした。

簡単に言うと、里織が姉である里美さんを不憫に思う気持ちも本当にあり、里美さんの希望通り一緒に暮らすことで里美さんの障害者年金を自由にできるという、いわばwin‐win的なことが成立する、ということだ。

ただ、たとえ里美さんを引き取った本当の理由が障害者年金目当てだったとしても、里美さんの生活のサポートをし、常識的な範囲での世話さえ出来ていれば、それはそれで問題とまでは言えないはずだった。
しかしこの夫婦は、通常の人々より生活能力に欠ける部分があった。

支えが必要な人

里美さんは中程度の知的障害があり、誰かの支えなしではひとりで生活することは出来なかった。
一方の里織と圭祐については、裁判でも知的な問題は指摘されていないし、それまでに前科前歴もない。
なので断言するようなことは出来ないが、私にはこのふたりも、一般常識の範囲で自立した生活を送るということが難しい事情があったのではないかと思っている。

当時圭祐は定職に就いていない。だからこそ生活に困ったわけだが、そもそも里織の実母が暮らす安中の借家に転がり込んだもの生活していけなくなったからだと思われる。
この安中の借家は、外観から察するにおそらく6畳二間と台所と風呂トイレ、という作りだと思われ、単身もしくは夫婦ふたり、幼い子供くらいならいけると思うが、大人が4人に子供というのはいくらなんでも窮屈すぎる。

裁判所は量刑を決めるにあたって、この里織と圭祐の生活能力のなさについて、非難の程度を若干ではあるが減少させるとしており、やはりなにか本人の努力ではどうしようもない「なにか」があったのではないかと思われる。
たとえばこれがギャンブルや浪費など、金の計算ができないとか自己の欲求に赴くままとか、そういう話ならば非難の程度は減少どころか増加するはずだからだ。

本来、里織と圭祐にもその生活を監督し、助言や経済的なサポートが必要だったように思われる。ちなみにふたりが生活保護を受けていたという話はない。

ふたりは、里美さんを引き取ることでとりあえず月額65千円(2カ月に1度、13万円支給)の収入を得た。即日引き出された里美さんの77万円は滞納していた家賃などの生活費に消えている。
しかし普通に考えれば、65千円で里美さんを含めた家族4人が生活などできようはずもない。そこで思うのが、なんで施設はこんな生活能力のないふたりに里美さんを引き渡したのか、ということである。
犬猫の譲渡であっても、その生活環境や家族構成などが審査されるのに、介護経験もなく狭い借家暮らしで幼い子を抱えた定職もない夫婦に、なぜ里美さんの世話ができると思ったのだろうか。

血を分けた姉妹だから?

これについては裁判でも言及されておらず、安中市が調査報告書を出したという話もないため、詳細はわからない。
ただ、里美さんが長年暮らした渋川市の施設は、里美さんが死亡する2か月前から施設に来ていないことを安中市に報告していた。そしてそれをうけて、23日に安中市の職員が家庭訪問したのだ。これは里美さんの死亡3日前の話である。
その際、安中市の職員は「里美さんがそこまで衰弱しているように思えなかった」としているが、この時里美さんの体重は35キロしかなかった。
長年施設で暮らしていた里美さんは56キロあった。身長にもよるだろうが、施設にいてとんでもない肥満体だったとは思えない。里美さんがたとえ身長150センチ以下であっても35キロというのは痩せているという印象を受ける。
しかも里美さんは低栄養の状態が長く続いていた。それでも、里美さんの健康状態に問題がないとみえたのだろうか。

裁判では、この時の安中市の職員との面会で特に問題を指摘されなかったことが、対応した圭祐の中に「里美さんは大丈夫」という安心感が生まれたと指摘されているが、だからといってそのまま里美さんを放置してよいことにはならないとし、結局は年金欲しさに里美さんを引き取ったはいいが、他人任せでなんら里美さんに必要な介護を行っていなかったと非難した。
ふたりはやることはやっていたと主張していたが、安中市の職員との面会以降、急激に弱り寝たきりとなった里美さんを病院にも連れて行かなかったばかりか、一人放置されトイレにも立てない里美さんが排泄物を垂れ流していてもそれを世話することはなかった。
里美さんが低体温症となったのは、冬という季節に加え自身の排泄物にまみれそれによって体温を奪われたことによるものだった。
それでも、やるべきことはやっていたと、二人は思っていたのだ。

前橋地方裁判所は、身勝手な犯行としながらも、二人の生活能力に問題があったことや、圭祐が当初は里美さんを含めた家族のために仕事をし始めたことがあったことなどを酌量し、里織と圭祐に対し、懲役56月(求刑懲役7年)を言い渡した。

この事件は、結果から見れば身勝手で本当に腹立たしいのは当然としても、この里織の環境というのがもう少し明らかになればまた違っていたのかな、とも感じる。
そもそも里美さんとの年齢差が20歳あるというのも正直、何かあるような気もする。
すでに死亡していた母親が何歳だったのかも不明だが、姉妹間で起きた事件であるにもかかわらず、そしてほかにも兄弟姉妹がいるにもかかわらず、ほかの家族の存在がないのだ。

一緒に暮らしていたならまだしも、少なくとも里織が物心ついた時点で里美さんは施設で暮らしていたわけで、先にも述べたが姉という感覚を持てていたのかどうか。

里織が里美さんを不憫に思ったのが引き取るきっかけだったというのは否定されなかったものの、一方で早織はそれまで里美さんの面会はおろか、施設のイベントなどがあっても一度も顔を見せたこともなかった。
本当に仲が良かったと言えるのか。

ただ、最初から100%金目当てで里美さんを引き取ろうとしたのかというと、それも正しくないような気もする。
裁判でも認められたように、圭祐は怠惰な生活を改め、自分なりに一家の主として幼い子を持つ父親として、仕事をし始めたという事実もあった。最初から金目当てだったら、そもそも仕事をしようという気すら、いや、それをしたくないからこそではないのか。
里織も、施設に戻りたくないと話す姉の姿を不憫に思ったのは嘘ではないように思う。たとえ一瞬であっても。
そして、里美さんの年金があれば何とかやれるのではないかと思ったのも嘘ではないかもしれない。
自分たちに全く生活能力がないことは棚に上げて。

そのあたりの行き当たりばったり、その時の感情で後先も考えず行動してしまうことが、たとえ当初の動機が正しく思いやりから出たものであっても、最悪の結果へと変えてしまった。

支えが必要な人を、同じく支えが必要な人間に託してしまったことは家族である以上致し方なかった部分はあったのかもしれないが、もう少し何かが出来ていれば、里美さんも里織夫婦も、こんな結末にはならなかったような気もする。

ただ、その、もう少しの何かが何なのかと聞かれると、正直、わからない。

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参考文献

中日新聞社 平成2977日朝刊群馬版
朝日新聞社 平成2977日、平成3039日東京地方版/群馬
産経新聞 平成2978
読売新聞社 平成30314日、317日東京朝刊

平成30316/前橋地方裁判所/刑事第2/判決/平成29年(わ)384

緘黙の子~大分・13歳餓死事件~

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その子はいつもフード付きの服を着ていた。お気に入りなのか、いつも同じグレーのフード付きトレーナー。
それがいつのころからか、その子自体を見かけなくなった。
数年後、同級生たちは中学へ進学したが、桜が散っても、その子が中学へ通うことはなかった。

平成2年の12月。
世の中がクリスマス気分にひたる中、その子はひとり、たったひとりで死んだ。 続きを読む 緘黙の子~大分・13歳餓死事件~

いいひと。PART2 ~大牟田市・4歳男児殺害事件~

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その父親は、誰が見ても「いいひと」だった。
幼いころから正義感あふれ、仲間外れにされた子を率先して仲間に引き入れた。
姉とは姉弟喧嘩などしたこともないし、周囲に配慮し、いつも笑顔を絶やさない、そんな人物だったという。
友人を大切にし、大学に進んだ後も専門学校へ通いなおし、家族の意見にも耳を傾けた。
社会人になってからも、同僚からは仏様みたいに穏やかな人だと絶賛された。
真面目で温厚、結婚し子供が生まれてからもその息子をかわいがった。

しかし。

父親はその息子を殺害した。たった4歳の、プラレールに夢中だった男の子を。

父親には精神鑑定が行われた。そのうえで、平成25年10月31日、福岡地裁はこの父親に懲役6年の実刑判決を言い渡した。 続きを読む いいひと。PART2 ~大牟田市・4歳男児殺害事件~

🔓快楽のための虐待~泉佐野市・2児虐待死傷事件~

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平成16年、大阪地方裁判所堺支部。

「二人での生活を楽しみたい、そのような身勝手な理由から子供を疎ましく思い、幼い被害者二人に対しそれぞれ虐待行為を続けた。」

検察官の読み上げる起訴状には、耳をふさぎたくなるような事実がこれでもかと記されていた。
母親とその愛人による幼子への苛烈な虐待は、母親の、「快楽に耽りたい」という思いから始まっていた。

だらしなく肥えた体を丸めるようにして座る女は、自分の犯した罪の重さをわかっているのかいないのか、感情を見せることはなかった。

9月9日、女は懲役8年の判決を言い渡された。
女は3人の子供母親。そして、うち1人を死なせ、もう1人には全身に及ぶケガをさせていた。
大阪地方裁判所堺支部の細井正弘裁判長は、
「笑いながら暴行を加えるなど、ゲーム感覚で虐待を楽しんでおり、残虐かつ悪質な犯行」
と批難した。

母親であるこの女と愛人の男は、壮絶なリンチに泣き叫ぶ子供をらを見て、笑っていた。

事件

平成16年3月14日、泉佐野署に通報が入ったのは病院からだった。
「男児が心肺停止で運ばれてきたが、状況から虐待の可能性が疑われる」
通報してきたのは、男児を搬送した救急隊員だった。

119番通報で駆け付けた際、母親と思われる人物から、
「昼寝中に痰が詰まって呼吸が止まった」
と説明を受けたものの、痰が詰まっている様子はなかったという。加えて、男児を診察した医師から、顔や背中、両足に殴られたような痣、頭部には古い傷があると言われたことでの通報だった。

泉佐野署は男児の自宅で家族から話を聞いたところ、この男児の母親の愛人の男が男児に暴行したことが判明。翌3月15日、傷害の容疑で逮捕となった。

【有料部分目次】
貧困、アル中、暴力
狭すぎる世界での妊娠
性欲の泥沼
タバコの痕126か所
邪魔されたくなかった

見苦しい人々〜守口・4歳児暴行死事件〜

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平成13年8月5日午後7時45分。
守口市の関西医科大学附属病院にて、小さな命が消えた。
救急搬送されてきたのは、4歳の男の子。目立った外傷は見当たらなかったが、その脳は腫れ、すでに機能を失った状態にあった。
それでも心臓は動きを止めず、男の子は搬送されてから2週間、必死に生きようと頑張っていたが、医師らの尽力も届かず男の子は死亡してしまった。

救命にあたった医師らは、その怪我自体は自分で転倒して頭部を強打したような場合でも起こり得るものとの認識はあったが、念のため警察へも通報していた。
警察が家族から聞き取ったところ、複数の家族が「自分で転んで頭を打った」という証言をしたため、男児は事故死と判断された。 続きを読む 見苦しい人々〜守口・4歳児暴行死事件〜