ハーレム男が夢見たその先~足立区・内妻傷害致死事件~

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令和5年2月、東大和市で10代の女性らに対し、「宇宙人に食べられる」「寿命を伸ばしたいなら自分とSEXするしかない」などと申し向け、性的暴行を加えたとして75歳の男とその元妻(当時43歳)が逮捕された。
そのパンチのあるセリフのみならず、男の風貌や逮捕当時男の家に複数の女性が同居していたことなどから注目を集めた。

男は平成18年にも同じような事件を起こして逮捕されたが、反省しているということから執行猶予となっていた。が、その後も複数の女性たちを侍らせた生活に変化はなかったといい、今回、家族に説得された被害女性が被害届を出したことで逮捕となった。

この事件を知った時、既視感に包まれた私は、過去にも男が同じような事件を起こしていたと知って、あぁ、それでなんとなく覚えていたのかな、と思ったのだが、実際は違っていた。私が覚えていた事件では、人が死んでいたのだ。

平成19年、その事件は発覚した。 続きを読む ハーレム男が夢見たその先~足立区・内妻傷害致死事件~

🔓地獄を見なさい~死刑と無期のはざまでpart3・枚方一家3人放火殺人事件~

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男は法廷で一貫して自分に対する「死刑」を望んでいた。

男の罪は放火殺人。しかもその被害者の数は3人で、全員血縁関係なしの他人。うち1人は2歳の女児だった。
大阪地方裁判所は、男に対して判決を言い渡した。
そして、その言い渡しを終えると裁判長は静かに、

「生きて地獄を見なさい」

と語り掛けた。

【有料部分 目次】

枚方市の社員寮
出頭
当初の報道
事実関係の争点
地獄を見なさい
出せなかった「酌むべき事情」
それぞれの、地獄へ

舐め愛~荒川区・就寝中男性殺害事件~

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平成元年1月22日午後零時半。
東京都荒川区町屋の隅田川河川敷管理道路の側溝に、男性らしき遺体があるのが発見された。

遺体は頭部に激しく殴られたような跡があったことから警視庁捜査一課は殺人・死体遺棄事件と断定。管轄の尾久署に捜査本部を置いた。

遺体の身元はすぐに割れた。
荒川区の男性が16日から行方不明になっており、妻が捜索願を出していたのだ。 続きを読む 舐め愛~荒川区・就寝中男性殺害事件~

🔓死刑と無期のはざまでpart2~北九州・母子3人殺害事件~

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「家の中にまだ3人いるんだ!!!」

夜も明けきらぬ午前3時、住宅密集地にある一軒の家から火の手が上がっていた。木造2階建て、火の回りが早くおよそ80㎡がすでに焼け落ちようとしていた。
男性は近所の人らに羽交い絞めにされながらも、家族の名を叫び続けていた。

平成5年2月14日未明

火災が起きたのは北九州市小倉南区の住宅。
この家には夫婦と10代の長女、長男の4人が暮らしていたが、父親以外の母子3人の行方が分からなくなっていた。
救助された父親によれば、火が出た時間帯には妻と長男は就寝中で、長女は起きていたという。
後に焼け跡から3人の遺体が発見され、母子と断定された。

警察と消防の調べでは、現場に灯油をまいた痕跡があったことから、早い段階で放火の可能性が高いとみていた。
加えて、一人逃げ延びた父親の話が放火を裏付けることにもなった。

父親によれば、午前2時過ぎころから1階のリビングで転寝をしていたところ、突然後頭部を殴られその後しばし気を失っていたという。
そこへ、「助けて!」という妻の悲鳴が聞こえたことで目を覚まし、急いで妻と長男がいる2階の和室へ向かったところ、すでに和室が火に包まれていたというのだ。
父親は隣の部屋にいるはずの長女が心配になって部屋を覗くと、灯油のにおいがして、長女の部屋にも火の手が上がっていた。
そして長女もそこにいた。手に金属バットを持って。
父親に気づいた長女は、金属バットを振りかざして父親に殴りかかってきたため、もみ合いになったという。そうこうしている間に、父親の衣服にも火が燃え移ったために父親はそのまま家の外に逃げ出した。
長女はそのまま、炎の中に消えた。

家の外では、すでに火事に気付いた近隣の人が消火活動を始めており、逃げ出してきた父親も救助された。
父親は冒頭の通り、取り乱して家族を救うために再び家の中へ戻ろうとしたという。近所の人々は胸を痛めながらも、父親を必死で取り押さえた。

この火事で死亡したのは、この家の主婦・小副川(こそえがわ)美代子さん(当時43歳)、長男の剛くん(当時10歳)、そして長女(当時17歳)と断定された。

救助された父親も、後頭部に殴られたような痕があり、警察は父親の証言と現場の状況、そしてそれまでの家族の状況などから、長女が火を放ち、自身も死亡した可能性が高いとして捜査を始めた。

長女は素行に問題があり、両親は以前から心を痛めていたという。前年の3月には高校を中退しており、専門学校へ通ってはいたものの、帰宅が遅いことなどから家庭内では口論が絶えなかった。
父親も、前日の夕方の食事中に些細なことから長女と口論になったと話していた。その後、遅くまで長女の部屋に電気がついていることから、早く寝るよう注意した直後の火災だった。

長女は心に病を抱えていたのか。それとも、家族間で殺したいと思うほどの憎しみがあったのか。

【有料部分 目次】
家族の軌跡
夫婦の問題
その夜の真実
壊れゆく家族
快楽の沼
その女
バレンタインデー前夜
「もう、遅い」
死刑求刑
本来の人間性と、子供の障害
立ちはだかるあの事件
死刑と無期のはざまで

🔓あなたが私を無視したから〜北海道・4歳長男殺害事件〜

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母親は4歳の我が子に、「ママとぎゅーってしよう」と言って呼び寄せた。無邪気に母親の腕の中に飛び込む息子。
その息子の首に、母はタオルを巻きつけた。そして力いっぱい、絞めあげた。

ぐったりした息子を床に寝かせ、母は自分の命を絶つために椅子を取りに向かった。すると、息をしていないはずの息子が、ふぅっと息を吐いたような気がした。
生きている!そう思った母は、息子の背中を叩き、人工呼吸も施した。が、息子がそれ以上反応することはなかった。

やっぱり死んじゃった。次は私の番だ、早く死ななきゃ。

そこへ、仕事に行ったはずの夫が突然帰宅した。

「……なにしてる?」

様子がおかしいことに気づいた夫は、虚ろな妻に詰め寄った。

「猛瑠、殺しちゃった。」

驚いた夫がさらに問い詰めると、妻はこういった。

「だってあんたが猛瑠をちゃんとみてくれないから!」

夫は息子の様子を確認した後、通報した。

平成23年7月14日

北海道清水町南の住宅から、「妻が子供に手をかけた」とその家に暮らすトラック運転手の男性から近くの交番に通報があった。
警察が駆け付けると、男性の長男で保育園児の猛瑠(たける)ちゃん(当時4歳)がぐったりしていて、その後救急搬送されたが死亡が確認された。

警察の調べに対し、家にいた猛瑠ちゃんの母親が首を絞めたと認めたことで、殺人容疑で母親を逮捕した。

逮捕されたのは佐々木尚美(仮名/当時32歳)。

部屋の中には遺書とみられるものがあったことなどから、警察では尚美が猛瑠ちゃんを殺害して自分も死のうとした無理心中とみて取り調べを続けた。部屋の鴨居には首を吊ろうとしたのか、ひもが掛けられていた。
後に尚美は家族について悩みがあったと供述した。

猛瑠ちゃんの首には絞められた痕跡があり、旭川医大で司法解剖された結果、窒息死と判明した。

幼い子供が母親によって殺害されるという腹立たしくも悲しい事件だったが、無理心中を図ろうとしたことが報道された後、その詳細についてはほとんど情報がなかった。
その後、尚美には懲役8年の実刑が言い渡されたが、公判で明かされた無理心中に至った経緯はあまりにも理解に苦しむものだった。

【有料部分 目次】
母のそれまで
子供の発育
破壊的な経済観念
本当の動機
この子誰の子
私が悪いんだろうけど