🔓end of summer~なつのじこ~

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夏休みの思い出。
昭和の時代、都会で暮らす子供たちは田舎のおじいちゃんおばあちゃんの家に行ったり、海や川、行楽地に出かけて家族や友達と思い出を作る。
田舎の子供たちも地域の行事や普段とは違う自然の体験をしたり、家族で旅行に出たりと誰の心にもなにかしら、夏の思い出というものはある。

本来は楽しいはずの夏休み。
それがふとした気のゆるみや思い込み、普段と違う環境での油断などから、取り返しのつかない事態に陥ることもある。

夏休みに起きた、悲しい事故の記録。

死の砂山

砂遊びは保育園や幼稚園児でも出来る楽しい遊び。手を使い、その感触を楽しみ、水をくわえたりして山を作ったりそしてそれを掘ったり。
しかしそれが子どもたちの命を奪うこともある。

栃木の兄弟

その砂山は、半年ほど前に両親の知人の工事業者から依頼され、庭先に仮置きしていたものだった。
子だくさんだったその家では、子供たちがトンネルを掘るなどして日々遊んでいたという。
夏休みが終わろうとしていた8月29日、その日も小学6年生の三男と、小学4年生の四男が昼前頃から妹二人とともにその砂山で遊んでいた。
高さ約1mほどの砂山。そこに、数日前から兄弟は直径40センチから60センチの穴を約3mにわたって掘っていた。その日はその穴をさらに広げようと、兄弟はトンネルの中に入り込み、内側からスコップを使って穴を掘り広げていたという。

ふと、母親が庭先を見ればその砂山が崩れ落ちていた。母親は急いで砂をかき分け、埋まっていた兄弟を救出。四男はケガもなく無事だったが、三男は救急搬送された先の病院で死亡が確認された。

砂山が崩れて母親が気づくまでの時間は、わずか数分だったという。

兄弟はトンネル掘りがことのほか楽しかったようで、両親も危険を感じつつも注意するにとどまっていたのだという。ただ、雨が降った後でもあり、今日を最後に山は崩そうと思っていた矢先の、悲劇だった。

北九州の兄弟

平成14年7月18日夕方、北九州市八幡西区の宅地造成地に積み上げられていた土砂が突然崩れた。
この場所は区画整理に基づいて宅地開発がなされており、当時幅20m、高さは3~5mの土砂が積み上げられていたという。崩れ落ちたその日は、短時間に強い雨が降ったこともあり、雨で土砂が緩んでの崩落とみられた。

近くに住んでいた主婦は、その土砂降りとも言える雨を気にしながら自宅で休んでいたところ、突然子供が玄関に駆け込んできて驚いた。
雨にぬれ、その体は泥だらけ。小学生とみられるその男児は、主婦にこう告げた。

「ともだちが埋まった!!」

夫に声をかけ、すぐさまその場所へと走ったところ、積み上げられていた土砂が崩落しているのを目の当たりにし、この中に子供がいるとみて119番通報を行った。
15分後にレスキュー隊が到着。近隣住民らとともに土砂を掘っていくと、子供の頭が見えた。ふたりいる。
助け出された子どもは、ふたりとも小学生くらい。座った状態で土砂に埋まっていたという。

救急搬送されたふたりは、近くに暮らす兄弟と判明。自力で脱出して住民に助けを求めた男児と3人で遊んでいたとみられた。

ふたりは集中治療室へと送られたが、発見時には意識不明となっていた。

現場は工事現場であり、高いフェンスなどがあって立ち入りは制限されていたという。しかし宅地への取り付け道路が完成した頃には高いフェンスは外され、1mほどの工事用バリケードのみになっていて向こう側が見えないようになっていた。
そのバリケードの向こうに土砂が置かれていたようで、子供たちでも容易に乗り越えられる状況があったという。

子供たちが通う小学校でもその危険性は十分認知されており、危険だから近づかないように、と指導も行っていたが、現状としては子供のみならず、大人も犬の散歩などで勝手に立ち入っている状況だった。

近所の人らも、「大人も無断で立ち入っているのに、子供にだけはいるなとは言えず……」と口を濁す人もいた。また、兄弟の救出作業にあたった近所の男性も、
「フェンスがあっても立ち入り禁止と書かれていても子供は入るもの。」
と話し、対策の難しさをにじませた。

事故から4日。
家族や友達、学校関係者の祈りも届かず、幼い兄弟は死亡した。